OLTA株式会社 取締役副社長 武田修一
2017年に国内でオンライン型ファクタリングが登場してから5年ほど経ちました。当初はその新規性から中々理解が得られない場面も多くありましたが、2022年現在、25社を超える金融機関がフィンテック事業者との提携を通じてオンライン型ファクタリング事業に参入(各社発表に基づく集計)するなど、徐々に社会に浸透し始めています。
そんな中、2022年4月26日に閣議決定を経て公開された2022年版『中小企業白書』の中で、オンライン型ファクタリングの動向が取り上げられました(※)。
※P.386-387「コラム 2-2-6 オルタナティブ・ファイナンス」
2ページにわたる「オルタナティブ・ファイナンス」に関するコラムでは、コロナ禍で活用されるオンライン型ファクタリングについて、地銀として提携サービスを提供する十六銀行の取組みや、サービスの案内を受け利用した顧客の声などが紹介されています。
オルタナティブ・ファイナンスとは、補完金融とも呼ばれ、伝統的な銀行融資では満たされない資金ニーズを満たす金融サービスの総称で、オンライン型ファクタリングのほか、クラウドファクタリングなども代表的な事例です。
世界各国と比較して拡大が期待される日本のオルタナティブ・ファイナンス市場について、「中小企業が自らの状況に応じて最適なオルタナティブ・ファイナンスの手法を上手く選択し、積極的にその利用を決断することにより、オルタナティブ・ファイナンスが日本社会にさらに普及し、中小企業の資金繰りの更なる円滑化が実現されていくことが期待される」と結んでいます。
今回、こうして白書で取り上げられたことは、オンライン型ファクタリングが段々と社会に浸透していく過程の1ページとして、感慨深い出来事です。今後も引き続き事業者の自主的な協働を通じて、健全な市場発展に取り組んで参りたいと考えています。